VR / AR / MR で空想世界の実現をめざして
これは、総コン Advent Calendar 2017の2日目(12月2日)の記事です。
技術の共有ではなく、今回は知識の共有を目的に書いていくので、VR / AR / MRの技術だけを求めている方には申し訳有りませんがご了承ください。
はじめに
まず、VR / AR / MRと聞いてみなさんはどのようなものを思い浮かべるでしょうか? 多くの人は最近流行りのVRアミューズメントテーマパークやPSVRの様な"娯楽"での活用例が多いのではないでしょうか。理系の人だとHoloLensなども出てくるでしょう。そして、その多くはヘッドマウントディスプレイ(以下HMD)を使っているものだと思います。
しかし、VR / MRは娯楽以外の使い道も様々なものが研究・開発されているのです。
自分もその1人として研究室ではVR技術の研究をしているので、今回はあまり取り上げられないものを紹介したり、そこから空想世界の実現に向けた技術の利用法も考えていきたいと思います。
現在のVR / AR / MR利用例
トレーニング(職種訓練)での活用
現在、VRなどは様々な職種訓練での活用が行われています。
その理由は、VR / ARなどの利用で訓練の効率が跳ね上がるからです。
これまでの訓練では、実際のモノを使って教官が授業をするといった方法で行われてきました。しかし、これでは教官が一定数必要になり、説明を聞いてから作業では時間が限られていたり、効率が悪いものでした。 そこでVRの / ARの出番です。これまで人が教えていた部分を忠実に再現された3Dモデルを使ってHMDに表示し、完成形までの過程をアニメーションで見せたりしました。これによって、いつでも好きなタイミングで見ることができ、何度も繰り返し見ることも可能になったです。
このように、まるでそこに実物があるかのような感覚を与えてくれるVR / ARは職種訓練において効率的な学習と、他人に縛られない時間の利用を可能にしました。
アメリカでは軍事利用も
アメリカでは軍の実戦で用いる装備や訓練でもARの技術を使おうと開発が進められています。
海軍や陸軍では、ARディスプレイを搭載したヘルメットを用いて、戦艦の砲撃照準の支援や命令の可視化による作戦の効率的な伝達などを目標にしています。
不動産業界でも利用されている
また後日紹介(12/20の記事の予定)しますが、建築ビジュアライゼーションという建築物を3D空間で作るものがあります。 ゲームでも建物がステージとして出てきますよね?こういったものも建築ビジュアライゼーションに含まれてきます。
では、不動産業界と建築ビジュアライゼーションにどうやってVRが用いられるのでしょうか?
それは、設計段階で顧客が実際に建てた時の様子を見るために用いられるのです。 家を買う際に、内見というモデルルームや実際の家を見てみることがありますよね。ですが、これは建築後にしかできないものでした。しかし、VRと建築ビジュアライゼーションを組み合わせればそれができてしまうのです。 更にVR+建築ビジュアライゼーションの良いところは、実際に見て壁紙や床・家具などの再検討ができるのです。オフィスを新しくする際にどのような机を置くかなど、実際に置いて見てみないと具体的なことがわからない時もこれを使えば自分たちの目線で確認できるのです。
「どうぶつの森」みたいに部屋の模様替えもあらかじめ決めることができますね。
ここまで、いろいろと事例を紹介してきました。実際に娯楽以外でもVR / AR / MRはドンドン用いられるようになっています。
空想世界の実現をめざして
みなさんは映画「アイアンマン」を見たことがあるでしょうか? その作中に「J.A.R.V.I.S.(ジャービス)」という人工知能が出てきて、アイアンマンであるトニー・スタークの補助をします。 そして、アイアンマンのヘルメットの内側では敵の情報や持っている武器の説明や弾数、マップやスーツの耐久性など色々な情報が表示されます。
これはAIの部分を除けば現在でも実現できるのです。 先ほど挙げたアメリカでの利用法の次の未来といった感じですかね。 AIもだんだんと発達してきているので簡単なものなら今でも実現できてしまうかもしれません。
このように今ではまだ空想の世界でも段々と実現していくものもあるかもしれません。 電脳コイルの電脳メガネはHoloLensがまさにそれのようなものですし、ドラゴンボールのスカウターも何を戦闘力にするかはわかりませんが顔識別と組み合わせれば実現できそうですよね。 今はまだ眼鏡サイズのモノしかないディスプレイですが、いつかコンタクトレンズサイズにしようとする企業もあります。
こういった技術の進歩にはVR / AR / MRの技術を組み合わせることで更に便利な生活が待っているでしょう。 地図を表示することで誰も道に迷わない世界。料理中にレシピや焼き加減の状態を表示するような効率化された世界。など…
2016年は「VR元年」と言われ、一般にもVRが普及し始めたばかりです。あと何年かするだけでもまた大きく技術が進歩していることでしょう。 いまは漫画や映画の中の世界がすべて実現するのは難しかもしれません、しかし段々と近づいてきてはいるのです。我々も空想世界の実現をめざして頑張っていきましょう!
おわりに
だらだらと色々なことを書いていただけなので、興味があるものは調べてみてください。 ですが、「そういうものがある」「そういう研究が進んでいる」と知っているだけでも価値があるものだと思います。 興味がある人はVR / AR / MRの研究をして空想世界を自分の手で実現させることを目指しましょう!
明日は、Zawa_worksくんの「Gifmagazine-APIをJavaScript/Node.jsで叩いてみた」とのことなので、楽しみにしてます!